有限会社田中工務店

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お寺の手すり工事をして思ったこと(長岡市栃尾地域・改修)

いつもお世話になっているお寺様より手すりを付けてほしいとの依頼があり、お話を伺いました。最近はお参りに来る人の高齢化が進み、本堂に上がるのに大変苦労している人が多いので階段に手すりをつけてほしいとのことでした。

確認するとまず参道に9段の石階段があり、さらに本堂には蹴上寸法の大きい6段の木製階段がありました。

確かにお年寄りや体の不自由な人には厳しい条件です。

神社・仏閣というのは神聖な場所ということで一般的にはそこに行く道中はちょっと困難を要するような場所に建てられていますし、境内から本堂の床までの高さも高くなっていることで尊厳を保っているようなところがあります。

例えば神社・仏閣が外の地盤レベルとほぼ平らとか、階段ではなくスロープ様式だったらなどうでしょう?なんだか軽い感じがしませんか。

ということで私は神社・仏閣がたどり着くのに大変なのは宗教性ということを考えれば基本的にはしょうがないことだと思っています。ですがお参りしたいという想いを持った人たちの歩行を補助する手すりはバリアフリーという現代の考え方に倣って取付けた方がもちろん良いと思っています。

ただ格式高い神社・仏閣の美観を損ねることだけは避けなければならないと肝に銘じ、この仕事を請けさせていただきました。

着工前の状態はこうです。

参道の階段

参道の階段

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本堂の階段

工事中の様子です。

本堂の階段手摺支柱にはケヤキの無垢材を手摺棒は杉の無垢材を使いました。

 

 

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ケヤキ無垢材の支柱

階段の段板に合わせて支柱を欠き込んで階段裏からビスで留め付けて設置します。

このケヤキの無垢材は弊社で昔から乾燥保管していたものです。

弊社ではこのような無垢材を先々代の時代から集めて倉庫に保管しています。

最近の住宅工事で無垢材を使うことは本当に少なくなりました。現代の住宅は高気密化、高断熱化、そして暖房器具による過乾燥化が進んだため無垢材を使用すると乾燥収縮による隙間や反りが出る場合があるのです。そして建築業者はクレームというリスクを回避するために無垢材の良さをアピールすることもやめて、乾燥収縮による狂いが少なくてとりあえず見た目が木という既製品素材を使うようになったのです。

弊社では無垢材の良さをお客様に知ってもらいたいので玄関の上がり框やカウンターなどに地元で採れた無垢材を使用してきました。

住宅業界の状況はこのような感じですが今回のような神社・仏閣の工事では今でも本物の無垢材を使うのが当たり前となっています。

既製品の材料というのはせいぜい30年から40年くらいの製品寿命で考えられているのではないでしょうか?住宅ローンが払い終わるころに商品も寿命を迎える感じですかね。

ところが神社・仏閣というのは未来永劫引き継いでいくことを目標にしているということと素材自体が時間を経て変わっていくことを良しとするところがあるので無垢材なんでしょうね。

無垢材の持つ重厚感や人間に与える心理的効果なんかは現代の人たちでも見て、触って、囲まれてみると感じ取れるんだと思います。

 

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ケヤキの支柱を現場でカットしている様子

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支柱の取り付けの様子

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手摺は2段にしてより様々な人に使いやすいように

このような無垢材の癖を読みながら加工から取り付けまでするという大工冥利に尽きる仕事は本当に少なくなりました。

ハウスメーカーやパワービルダーの仕事をしている大工さんは最近では取り付け屋さんという呼び方をされると聞きます。本当にさみしい話です。

さて本題に戻りまして次は参道の階段手摺の施工です。

こちらは屋根のない完全な屋外ですので耐候性のあるステンレス製としました。

石段に合わせて寸法を採り加工したものを設置します。

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ステンレス手すりの設置の様子

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手摺の足元は石を抜いてコンクリートで根固め

最後は完成した様子です。

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本堂手摺の完成

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階段の真ん中に設置して両側から使えるようになってます

参道の石段の手すりの方は

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参道石段のステンレス手すりの完成

手摺の足元の仕上げは周りになじむように下と踊り場は豆砂利洗い出し仕上げとし最上段部はモルタルの古色仕上げとしました。

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自分たちの仕事の痕跡が長い時間この世に存在できるといいなと思います。

 

2016年7月18日-11:57 AM

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