有限会社田中工務店

PAGE TOP

町屋のリフォーム②

解体工事が始まりました。

もちろん全部壊すわけではないので残す部分をよく確認しながら工事を進めます。

天井のベニヤはがしの様子。


テレビの「ビフォアー・アフター」みたいな豪快な壊し方はほとんどしません。状態が良ければ木下地をそのまま使う場合もありますから丁寧に壊すことの方が多いのです。それとあんな乱暴な解体をすると危険ですし、騒音と埃がひどくて作業環境が悪くなり近隣の皆様にも迷惑となります。テレビは演出上、「壊してる」ってのを強調したいのでしょうね。

さてリフォーム工事の難しいところは壊してみないとどうなっているか分からないってところでしょうか。もちろん事前調査である程度の予想をして計画しますが壊してみると予想と違っていることがよくあります。だけどその現実から逃げる事はできず、その現状に合わせて形を作っていかなければなりません。「予想と違っていたので我々にはこの工事はできません」という訳にはいかないのです。

さて今回の現場でも僕たちの予想をはるかに超えた現実が見えてきました。解体を始めたところ、使えると思っていた床や天井や壁の下地材がほとんど使えず、解体・処分することに。解体材の発生量も予想以上でした。だけどこれは現実。使えないモノは使えないのですから壊して前に進むしかありません。予想が甘かったということで次の工事にこの経験を生かすことが大事だと思います。

解体中の様子。壁は土壁です。


2階の床梁を落したところも。


2階から見たところ。予想以上の大解体工事に!


この建物には吹き抜け空間は予定されていませんのでこれからこの部分に2階の床ができるのです。なんだか「ビフォァー・アフター」みたいな感じになってきました(^_^;)

それから2階の天井をはがしてみると洋小屋トラス構造の小屋組が出てきました。

洋小屋トラス構造の小屋組


現在の一般住宅ではこの工法はほとんど用いられていないと思います。この工法ですと和小屋(一般的な工法)よりも梁間を大きくとることができ、柱の数も相対的に少なくすみ大空間を作ることができます。

リフォームをしていると遙か昔の技術者の工夫や苦労の跡を見る事ができます。「昔は便利な機械もなかったのに、どれだけ苦労したことか」などと考えると同時に、今の我々は建材メーカーの何とか工法とか、何とか金物とかを余りにも簡単に取り入れていて、職人や技術者が経験から得る建築的な感覚というものを忘れてきていると感じるのです。

僕は何かを造る仕事で大事なのはイメージする力だと思っています。

いいえ、何かを造るクリエイティブな仕事ばかりでなく全ての仕事において「ここで、こうすると、こうなるだろう」というイメージする力が必要だと思います。このイメージの中には人の気持ちをイメージするという事も入っています。

話がそれましたがリフォーム工事にはとてもイメージ力が必要なのです。新築工事の何倍もイメージ力と技術力が必要だと思います。新築工事はできてもリフォームができない職人も増えてきているようです。プレカットされてきた材料を取り付けていくだけの仕事しかやったことのない人にとって、既存の建物に合わせて材料を加工してきれいに納める仕事は確かに難しいと思います。

梁の補強(マクラ梁)


これからリフォームの需要はさらに増えていくと思います。社員みんなでイメージ力と技術力と判断力を更に高めて、お客様に感動してもらえるようなリフォームをしていきたいと思います。

人気ブログランキングへ

2011年8月10日-8:30 AM

その他のブログの記事

  • 店舗併用住宅増築工事 建前~既存部分改修

    建築工事のメインイベントと言えば『建前』です。建物の骨組が出来ていき、全体像が明らかになるのがこの日です。2日間の建前作業を行って、その日の夕方に上棟式を行いました。上棟式の後は屋根からの餅まきが行わ…

  • 雪国ならではの修繕工事から見えてきたこと

    今年は雪の量はそんなに多くはなかったのですが屋根の鼻先に雪庇ができて重くなり、雨樋が破損したり鼻先の垂木が折れるという雪害が多くの家で見られました。建物保険で自然災害共済などに加入していれば雪害という…

  • 栃尾の冬支度

    もうすぐ栃尾も雪景色に変わるでしょう。雪国はこの雪の降る前の時期は冬支度に忙しいのです。その代表的な冬支度が『雪囲い』です。雪の降らない地域の人には『雪囲い』の意味が分からないと思いますがまずは建物の…

  • 古いものをあえて残す和室のリフォーム

    今回ご紹介する事例もかなり長い時間を積み重ねてきた和室のリフォームです。念のため言っておきますが弊社は和室専門のリフォーム会社ではありません。施工事例を見ていただければわかると思いますが一般的なデザイ…

  • 仕事初め

    新年明けましておめでとうございます。6日間の正月休みも終わり、今日から平成26年の仕事初めです。例年ですと正月休み明けは休み中に降り積もった屋根の雪下ろしの仕事で始まるのですが、今年は雪もそんなに降ら…

関連記事

  • 関連する記事はありません

ニュース&イベント

  • 職人の卵 -2018年07月07日

    世間では人手不足が声高に叫ばれていますが、うちの会社も今年は依頼される仕事が多く人手不足を痛感してい…

  • リーフレット作りました -2016年12月27日

    今まで弊社は紙媒体のリーフレットがなかったのですが今年は全国商工会連合会という団体の小規模事業者持続…

  • 新入社員が入りました! -2016年04月07日

    4月1日に新入社員が入りました。名前は大橋陽生です。この3月に県央工業高校の建築学科を卒業したばかり…

  • T様邸「山林の家」見学会(長岡市栃尾地域) -2015年06月09日

    6月6日、7日の2日間に渡り、T様邸の完成見学会を行いました。先ずは今回の完成見学会を快諾してくださ…

3代目社長のBlogブログタイトル全一覧を見る

  • 職人の卵 -2018年07月07日

    世間では人手不足が声高に叫ばれていますが、うちの会社も今年は依頼される仕事が多く人手不足を痛感してい…

  • 古いものをあえて残す和室のリフォーム -2017年12月02日

    今回ご紹介する事例もかなり長い時間を積み重ねてきた和室のリフォームです。念のため言っておきますが弊社…

  • 椅子の修理に挑戦~豊かさについての考察 -2017年11月22日

    ひとつ前の投稿「築133年の家を住み継ぐ」のスピンオフ的なブログです。実は改修工事の最中にお客様より…

  • 築133年の家を住み継ぐ -2017年11月10日

    その男性は築133年の家のリフォームをしたいと事務所を訪ねてきました。お話を聞いてみるとその男性は6…

  • 無垢の木を使ってみませんか? -2017年08月05日

    忘れがちですが人間は自然の一部であることは間違いありません。だから自然素材に触れたり、自然素材に囲ま…

  • 栃尾のバス停 -2017年06月05日

    栃尾の各所に佇むバス停が妙に気になる。雨宿りできる屋根付きの建造物もあるかと思えば、ただぽつんとバス…

  • 雪国ならではの修繕工事から見えてきたこと -2017年05月08日

    今年は雪の量はそんなに多くはなかったのですが屋根の鼻先に雪庇ができて重くなり、雨樋が破損したり鼻先の…

  • 幸せな気分になれる?大工さんの手作り棚 -2017年03月28日

    久しぶりのブログです。今回は弊社の事務所に飾り棚を新たに設置しましたのでそちらを紹介します。まずは設…

  • 雪国の暮らし~屋根の雪下ろし -2017年01月24日

    栃尾のとある冬の日の風景を切り取ってみました。まずは雪国ならではの生活風景。雪の降らない地域では経験…

  • とちおブラ散歩 新町編 -2016年12月29日

    今回は新町地域を仕事のついでにブラついてみました。この新町とか大町あたりは栃尾城があったころから昭和…