有限会社田中工務店

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町屋のリフォーム⑤~伝統工法について考える事~

前回は基礎工事についてレポートしました。

基礎ができた後はいよいよ木工事が始まるのですがこれは新築であろうとリフォームであろうと同じです。

まずは基礎の上に土台を敷くことから木造の工事は始まります。

土台敷きの様子


土台の仕口


上の写真は土台同士が直角に交わる部分の一方の部材です。ご覧のように凹(メス)加工がされています。

これに対してもう一方の部材はこうなっています。

土台の仕口その2


ご覧のように凸(オス)加工がされていて先ほどの凹(メス)加工された材料にぴったり組みあわされるのです。

こういった直交した部材同士をつなぐことを「仕口」と言います。それに対して二つの部材を同じ方向につなぐことを「継手」と言います。

この部材同士の接合部が構造的に重要なのは言うまでもありません。

その部材にかかる力とそれによって起こる部材の変形を考慮して仕口や継手の種類を決めます。中にはとても複雑なものもあり、大工は3D対応した頭脳が必要だと改めて思うのです。

ちなみに先ほどの土台の仕口は『腰掛け蟻(あり)継ぎ』と言います。

昔はこういった仕口、継手の加工は手作業でおこなっていたのですが現在はほとんどが機械加工です。

うちの会社にはコンピューター制御の加工機が導入されていますので自分のところで加工しますが、ほとんどの大工さんはプレカット工場に依頼して加工してもらっているのが現状です。

弊社の仕口・継手加工機


力学的にも理にかなった伝統的な木造技術は現在も現役バリバリで活躍しているのです。もちろん機械加工等の合理化がされたり、金物との併用だったりと昔とは多少形を変えてきてますが・・・

良いものだったり良い技術は時代の変化の波に耐えてずっと残っていくものだと思います。それが「伝統」と呼ばれるものの正体だと思います。

しかし今の世の中を見ると「効率」「簡単」「安い」が人々の価値観の主流となり、長い目で物事を見るということができない人が増えたと感じます。すぐに結果を求め、駄目なら次を探す。人間の生きるスピード感みたいなものがどんどん早くなってきている気がします。

話は継手と仕口に戻りますが、現在では伝統的な木の組み合わせによる仕口とか継手を使わない金物工法も出てきています。

つまり簡単に言うと単純にスパッと切り落とされた木の部材同士を金物や接着剤を用いて接合するのです。

こういった工法はもちろん実験も重ねてきて、構造計算上も安全が確かめられているのですから理論的に問題があるわけではありません。だけど木を構造材として使用していながら木と木が組み合わさっていないといのは何となくおかしな感じがしませんか?

ここにも「効率」「簡単」「安い」という言葉が見え隠れしてきます。

伝統的な木と木を組み合わせた接合を基本にして更に金物で補強するというのが今現在のベストだと僕は思っています。

ただしこの先、木造にも革命的な工法が出るかもしれません。その時はそこから新たな伝統が始まるってことなんだと思います。

現場の紹介が土台だけで終わってしまいました(>_<)

だいぶ進んでいるのですがレポートが間に合いません。

また次回にさせてください。

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2011年9月21日-10:05 AM

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