有限会社田中工務店

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雪国ならではの修繕工事から見えてきたこと

今年は雪の量はそんなに多くはなかったのですが屋根の鼻先に雪庇ができて重くなり、雨樋が破損したり鼻先の垂木が折れるという雪害が多くの家で見られました。

建物保険で自然災害共済などに加入していれば雪害ということで保険で対応できますが、火災保険にしか加入していないとすべて自己負担となります。

雪国の場合は雪害の可能性がありますので自然災害保険は絶対に加入しておいた方が良いと思います。

さて今回このブログでご紹介させていただく住宅は弊社で56年前に建てさせていただいた家です。

私の祖父と父が一緒に仕事をしていた当時の物件で父は当時19歳でまだ大工になって間もないころだったとのことです。

セイガイ入母屋作りの立派な日本家屋で15年ほど前に内部のリフォームをして3代に渡り大事に住み継いでいただいております。

残念なことに今年の雪で下の写真のように妻側のやな鼻先が折れてしまい修理工事をするに至りました。

 

鼻先が折れ瓦が落下

垂木が折れているのがわかるでしょうか?

 

白壁の剥落

今回せっかく足場を組んで屋根の修理をするものですから上記のような壁の修繕も一緒にやることにしました。

外装工事のポイントとしては足場を組んで仕事をするときは足場を使っての作業はまとめてやることをお勧めします。

たとえば屋根、外壁、軒裏、雨樋などはできる限り同じ足場を使って一挙に工事した方がお得です。

たとえば外壁を直した数年後にまた軒裏や雨樋のために足場を組むというのはとても無駄なことです。

かといってまだ十分使えるものをホイホイ交換するのもどうかと思いますのでその辺は私たちがプロの目で見たうえでご提案させていただきます。

さて修繕の状況をご覧ください。

瓦撤去中

瓦を撤去した後に下地野地板を撤去中

結構な急こう配なので作業は慎重に行います。

垂木交換して野地板貼り中

雨が降ってきたのでブルーシートをかけて作業です。

屋根の修繕作業は基本的に雨の中ではできないので天気予報とにらめっこして作業日の選定をします。

 

瓦下のアスファルトルーフィング貼り完了

これが貼ってあれば雨が降ってもとりあえず大丈夫です。

瓦の復旧作業&妻壁の修繕作業

 

妻壁のしっくい塗り

瓦については割れたものは別として既存の再利用が基本です。

瓦は部分修理ができるところが大きな利点ですよね。

瓦の復旧完了

 

妻壁の修繕完了

 

修繕後の垂木と化粧野地板

これで修繕工事完了です。

今から56年前に建てたこの家は今ではすっかり需要のなくなったセイガイ入母屋造りの日本家屋です。

こういった家を修繕してわかるのは昔の大工の技術力と美意識の高さです。

当時は私の祖父が棟梁で家の設計をしてお客さんと打ち合わせをして現場でも先頭に立って家づくりをしていたわけですが屋根の形一つとってもそり具合や各部の寸法の対比のバランスをものすごく気にしているのがわかります。

一言でいえば「どうすれば建物が美しく見えるか?」というのを現場の大工が真剣に考えていたということです。

技術的にもその頭で考えた美しさを実際の形にするわけですから高い技術力が必要とされたわけです。

ひるがえって現代の家づくりはどうかというと設計は設計士、現場は大工という風に分業化がなされ大工は建物のデザインに関してはノータッチとなってしまいました。

大工の技術力の面でも現代は家の図面はもとより加工図も大工が書くことは稀ですし、構造材の加工もプレカット工場で行い、仕上げ材は既に製品化された既製品を組み立てることが一般的ですから想像するまでもなく職人としての平均技術レベルは下がったといえるでしょう。(注:あくまでも平均の話です。)

それから家づくりに対する人件費の比率がどうしても高いためコストを安くするためになるべく効率的に仕事ができる単純な形やデザインが多くなり没個性的なデザインの家が巷にあふれるようになりました。

これに関しては私自身も反省するところが多々あります。

やはり人を引き付ける美しい家は長い時を経ても価値を落とすどころか魅力を増していきます。

これからはそんな価値ある美しい家づくりを設計の私と現場の大工が知恵を出し合って田中工務店というチームでやっていきたいと思います。

 

 

2017年5月8日-6:06 PM

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